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  • 執筆者の写真KAZUHA

#04 商品開発、商品広告・販売促進の業務を通して感じた問題点③

更新日:2022年8月24日

どうも一葉です。


4回めは、いよいよこの章の最後です。大手企業で商品開発、商品広告・販売促進の業務を通して感じた3つの問題点、


①新人や未経験者に対して、実務的な最低限のマニュアルやノウハウがなく、指導者や前任者もいないこと


②長期にわたる商品開発は特に、全体のスケジュール管理、マイルストーンの設定(進捗管理のために途中で設ける目標点)やタイムマネージメントの難しさ


③デザイナーの活用が上手くできておらず、商品のデザインやパッケージ、広告などの品質に影響を与えること


の中から、③についてシェアしていきます。




まずは、デザイナー活用のためだけでなく、商品開発に関わる全ての人たちにとって、必須とも言える『商品の企画書』についてお話しします。


商品企画書とは、『モノづくりの要』であり、ここには重要な情報が詰め込まれています。言わば、家でいうところの設計図の部分で、一般的に、これを基に商品開発が進められます。


  • 市場状況・動向

  • 競合(ライバル)情報

  • 自社・他社商品のポジション(売上やシェア)

  • 消費者・ユーザーのニーズ

  • 今後の商品戦略(今後の商品ラインアップなど)

  • 開発予算 などなど


これらの背景をもとに、商品企画の担当者は、新商品について


  • ターゲットユーザー

  • 商品スペック

  • 販売価格

  • 販売時期(開発スケジュール)など


を具体的に決めて、商品企画を行うわけです。



私は、20人以上の『商品企画』の担当者と仕事をしてきましたが、営業部あるいは生産部から異動して来たなど、人によって経験値も千差万別。しかし、戦略や企画を立てることに長けていた人は、全体の2割もいなかった印象です。


つまり、設計図が決まっていない状態で、家づくりをお願いするようなもの。これでは、途中で倒れる可能性もありますし、出来上がりの完成度を上げることも難しくなります。


私の担当商品では、商品企画書の情報の抜け落ちや、ユーザーニーズの把握が不完全なまま、依頼される場合も少なくありませんでした。もちろん、それらの課題ををクリアにつつ進める場合もあります。しかし、『商品企画』の担当者として、その課題点を放置せず、関係者に事前に相談することが必要だと思います。




先程から、『商品企画書』の重要性について話していますが、その理由は、デザイナーやクリエイティブに関わる人は、これらの内容を十分に把握した上で、提案するからです。



商品デザインに関して言えば、


  • 現状の消費者(ユーザー)ニーズは、何か?(既存商品がある場合)

  • ターゲットにする消費者(ユーザー)ニーズは、何か?

  • そのニーズが、デザインで実現できているか?

  • さらに商品に付加価値を付けるために、できることはないか?

  • 提案したアイデアや見た目は、既存商品・競合商品と比べて勝っているか?


というように、提案したデザインやアイデアが、ターゲットにとって価値がある商品になっているか、常にプロは考えています。もし周りにいるインハウスデザイナーで、趣味や好みで提案している人がいたら、それはプロではないと断言します!


つまり、商品企画書に誤りや曖昧な部分があると、ご想像のとおり、自分の提案を白紙に戻し、一からアイデアを出し直さなければなりません。せっかくスケッチやイラストを、たくさん描いたのに。。。となります。細かい変更については許せますが、スペックに関わるような大きな変更が途中で出たら、最終案に使うべき時間がどんどんなくなり、泣く泣く品質を下げかねません。


もちろん、途中でライバル会社から新商品が出てきて、市場の動向が変わる場合もあります。ですが、商品企画の担当者として、『商品企画書』を説明する場合には、後戻りがなるべくないように、精度の高い企画書に仕上げて欲しいと思います。




また、設計やデザインが完成した後も、営業や販売の計画を立てるために『商品企画書』が活用されるので、最新版をいつでも出せるようにしておくと、会社全体としての効率も上がると思います。


さて、3回に分けて、「私自身の業務を通して感じた問題点」についてお話ししてきましたが、共感できたところはありましたか?


次回は、商品開発の具体的な流れを紹介する前に、必ず抑えて欲しいポイント『新人が心がけるべき「信頼関係の土台づくり」』についてお話していきます。こちらも、ボリュームのある内容なので、3回に分けてお伝えします。お楽しみに!!


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